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弥生会計のメリットとデメリット


弊事務所では、会計ソフトは、弥生会計を使用しています。

小規模な会社には弥生会計をお勧めしてはいますが、メリットとデメリットは必ずあるわけで、他の会計ソフトと比較しながら、いちユーザー目線で、良い点、悪い点を忌憚なく記載しました。

あくまでいち個人で使用してみての感想ではありますが、会計ソフト導入のご参考になれば幸いです。

市販の会計ソフトをすべて使用したことがあるわけではなく、直接使用したことがあるのは、MJS(ミロク情報サービス)、勘定奉行(OBC)だけで、比較対象が少ないことは悪しからず。

マネーフォワードやfreeeについては、直接使用したことはないです。

 

☆良い点

1,直感的に使いやすい

弥生会計は、色々いじっていれば、マニュアルを見ないでも、入力や操作方法がなんとなくわかる作りになっているかと思います。

初心者でもとっつきやすく、会計業務を内製化しようと思ってる会社は導入しやすいかなと思います。

私自身、弥生には、サポート(カスタマーセンター)に操作の問い合わせをしたことがないです。

MJSはインターフェイスがわかりにくく、操作方法、入力方法などをサポートに問い合わせることが多かったです。

(MJSは24時間電話でサポートの問い合わせができることを売りにしていますが、逆に言えば使いにくいからそんなことをしなければならないとも言えます。実際、操作等の問い合わせはすごく多いと思われ、待たされることもしばしば。。。)

弥生は、インターフェイスがシンプル(良くも悪くも昔から変更されていない)で、何がどこにあるのかすぐにわかるようになります。

 

2,動作が軽い

サクサク動きます

画面の切り替え(試算表、総勘定元帳等の切り替え)にストレスを感じないです。

入力がすぐに試算表等に反映されます。

MJSは仕訳入力すると、試算表を一度閉じてから、また開かないと入力が反映されなく、また開くのに少し時間がかかったりで、少しストレスを感じます。

勘定奉行のオンライン版も、少し動作が重いという印象があります。

弥生は、オンライン版と製品版(インストール版)があるので、製品版だと通信環境に左右されず、ストレスなく入力可能です。

freee、マネーフォワードは基本オンラインなので、通信環境に左右される場合があります。

 

3,機能がシンプル

余計な機能がなくて、覚えることが少ないです。

インターフェイスがシンプルなので、すぐに慣れます。

設定変更なんかも、簡単にできますし、元に戻すことも簡単です。

簡単に変更できてしまうというのが、デメリットになってしまう場合もあったりしますが。

機能が少ないということで、中小企業が必要としない会計機能はついていないので、(例えば、資産除去債務の計算など)エクセル等で別の管理が必要となる場合があります。

MJSは、資産除去債務の計算機能がついていて、前提を設定すれば、自動的に計算してくれます。

 

★悪い点

1,データの抽出がしにくい

会計データをエクセルで出力したいという要望はあるかと思います。

弥生だと勘定科目は一科目毎でしか、きれいにエクセルで抽出できません

全部の勘定科目を一括でエクセルで抽出するとなると、手動でCSVデータに変換した上で、データを自分で少し加工しないと使えません。

会計事務所にいる方でも弥生で勘定科目を一括でエクセルにするという方法を知らない人は結構います。

不親切な設計かなと思います。

勘定科目のデータを一括で出力するやり方は、「弥生会計で全科目の総勘定元帳をエクセルで出力する」というページに記載しておりますので、ご参考まで。

他の会計ソフトは、勘定科目を一括でエクセルに抽出するのに、だいたいきれいに抽出できるのですが、弥生だけなぜかきれいにデータの抽出ができなく、データ加工したい場合は、不便です。

 

2,機能の不足感

機能がシンプルで使いやすいのはいいのですが、出力できる帳簿が試算表と月次推移表ぐらいなので、3期比較したいとか求める人には、機能不足を感じる人もいるかと思います。

なので、法人の規模が大きくなってくると、あまり弥生を使われていない印象があります。

会計監査などで色々な企業の経理を見ていますが、上場企業で弥生を使用しているのは、見たことがないです。

上場企業の子会社で使用しているのはたまに見かけますが。

中規模な企業だと、勘定奉行やマネーフォワードが多い印象です。

(統計を見たことがないので、あくまで個人の印象です。)

freeeは、個人事業主に好まれているようですが、IPO(新規に上場を準備している会社)でも意外とよく見かけます。(主にIT会社)

freeeで上場したという話は聞くようになりました。

弥生会計で上場は聞いたことがあんまりないです。

会社の規模が大きくなってくると人事管理システムや販売システムなど他のシステムと繋げたいなどの需要があって、弥生会計を使用することが難しくなってくるのかなと思ったりするのですが、実際はどうなんでしょうかね。

 

3,法人税の申告ができない

MJS、勘定奉行、freeeは、追加料金は必要ですが法人税の申告もできます。

マネーフォワードはできなかったかと。

弥生だと、申告ソフトを別に購入するか、税理士に頼むかということになります。

弥生には、固定資産台帳の機能はあるようなのですが、私自身、1回も使ったことがないです。

通常は、法人税の申告と連動させたいため、他の会計事務所も申告ソフトについてる固定資産台帳を使用しているのでは。

弥生は会計入力するためだけのソフトというイメージです。

 

中小企業、個人事業主で、使いやすさと最低限の機能があればよいという方によっては、弥生会計は、概ね満足できるのではないかと思います。

お値段も比較的リーズナブルです。