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インボイス制度によって、免税事業者と「取引しない」が約1割


2023年からインボイス制度が始まり、いままで免税事業者だった方が課税事業者に変更することが多くなることが想定されますが、免税事業者に対する対応について、東京商工リサーチがアンケートを取ってくれたようです。

 

アンケートの結果として、免税事業者に対する対応として、以下になったようです。

検討中     46.7

変わらない   41.2

取引しない   9.8

価格の引き下げ 2.1

 

約1割の企業が免税事象者との取引について、変更を考えているようです。

価格の引き下げについて、公正取引委員会は、インボイス制度開始後の、消費税を考慮した取引価格の引き下げについては容認しているようです。

消費税分をまるまるカットするのは問題のようですが、双方合意した上で、価格を少し引き下げるということは問題ないようです。

 

免税事業者が課税事業者になると消費税の申告をする必要がでてきます。

簡易課税での申告であれば、自前でできないこともないのですが、簡易課税は簡易課税のメリット・デメリットがあり、これを考えて選択、計算するのは、自前ではなかなか大変なように思います。

消費税の計算はなにかと細かく、ややこしいので、税理士に申告を頼むことによって、コスト負担が増大しそうです。

 

インボイス制度が始まると、免税事業者はいままでのように消費税を加算して請求をすることが難しくなります。

免税事業者が消費税をくっつけて請求することは、必ずしも違法ではないというところがわかりにくいのですが、課税事業者は、免税事業者からの請求書からは、消費税を控除できなくなるため、しれっといままでのように消費税をくっつけて請求してしまうと、取引先から文句を言われてしまう可能性があります。

一応、インボイスの偽造とみなされれば罰則があります。

免税事業者が消費税を加算しないで請求することになると、収入減、利益減ということになりかねません。

簡易課税の選択をした方が、経営上の判断として有利になることもあり得るかと思います。

インボイス開始後6年は経過措置もありますので、免税事業者のままでいたいという方は、既存の取引先との交渉が必要になってくると思いますし、新規の取引先には、免税事業者ということを予め知らせておくことも必要になるかもしれません。

売り先が一般の個人の方でインボイスを請求されることがないような場合には、免税事業者でいままで通りのやり方で問題はないかもしれません。

 

いままで免税事業者が消費税分をまるまる自分の懐に入れられるという制度自体が問題だったのかもしれませんが、もう少し制度の簡素化をしてもらえるといいのにと思います。

 条文がわかりにくかったり、取引によって税率が変わったり、経過措置があったり、消費税は素人では手に負えないものになっているように思います。