SPCとは、Special Purpose Companyの略で、日本語では「特別目的会社」と呼ばれています。
一般的には、ファンドやペーパーカンパニーという言葉の方がしっくりくるでしょうか。
SPCは、主に資産の証券化をするための器として使われることが多いのですが、サブプライムローンによるリーマンショックのおかげで、なにやら怪しげな金融商品を売りさばくものとして認知されてしまっているような感じがします。
日本でも、ファンドというと、村上ファンドなんかが相場操縦の疑いでニュースになっていたおかげで、なにかと怪しいというイメージがついたように思います。
ファンドやペーパーカンパニーというと、世間一般では、実体のない虚業をしている会社、節税目的の会社といった、あまりよくないイメージがあるような気がしますが、実際には、不動産等を購入するための器、ベンチャー企業への出資の器、ここ最近では、メガソーラーなどの再生可能エネルギー事業の器として様々なメリットがあるため、多く利用されています。
SPCのメリット・デメリットについては、SPC(ファンド)のメリットとデメリットというページに記載しておりますので、そちらをご参照ください。
SPCは、特別目的会社と呼ばれるように、限定された特別の目的のために設立する会社です。
そのために、定款や契約等で目的を明記し、将来変更されることのないようにし、当初予定されていた業務のみしかできなくすることによって、負担するリスクを限定します。
SPCには、目的を達成するために、資産の性質や案件ごとの特徴により、様々なスキームが存在しますが、実際にやっていることは、会社と同じで、資金を集め、儲かりそうなところに投資して、儲かったら、資金を出してくれた人に還元するということをしています。
SPCは、どんな形であれ独立した一つの組織形態ですので、いくら儲かったかを計算しなければならず、儲かったら税金がかかることになりますので、私のような会計人がSPCの会計、税務、監査の仕事を引き受けています。
会計事務所の立場からいうと、ペーパーカンパニーですので、従業員というものが存在しておらず、給与計算、年末調整等をしなくてよい、基本的に、1つのSPCに対して1事業ですので、取引が限定されており、取引量が少ないところ等にSPCの会計メリットがあるように思っています。
ただ、金額が何十億円、何百億円と多額になることが多いため、税務リスクに注意を相当に払わないといけません。
投資家は、税務リスクにお金を払っていないという認識ですので、税務リスクを全くのゼロとすることはできませんが、通常の会社よりも税務リスクを抑えないといけないことが多いように思います。
SPCの役割は、投資家の資金を受け入れ、特定の関係者に意思決定を左右されず、投資家のために業務が遂行できるよう独立性を確保し、資産を保全する(関係者の倒産に巻き込まれないようにする(倒産隔離)、二重課税を回避する(導管性)等)ことにあります。
そのために、SPCには様々な工夫がなされており、代表的な形態(スキーム)がGK-TKスキーム、TMKスキームと呼ばれるものです。
スキームの概略は、SPCの形態(スキーム)というページに、倒産隔離については、SPCのメリット、デメリットというページに、課税の二重回避については、導管性とは何か?というページにそれぞれ記載しておりますので、そちらをご参照ください。