投資事業有限責任組合(LPS)の金融商品取引法による規制


投資事業有限責任組合(LPS)は、多くの投資者から集めた資金により事業運営や有価証券等への投資を行い、その収益を出資者に分配する仕組みのため、いわゆる集団投資スキームとして、LPSへの出資は金融商品取引法(以下、金商法)上、有価証券となります。

金商法上の分類では、みなし有価証券となります。(金商法2条2項5号)

会計上でも、LPSへの出資は有価証券として扱いますが、科目表示上は、有価証券より出資金の方がよくみられるような気がします。

会計上、有価証券(株式、債券、投資信託等)は、保有目的の観点から、以下の4つに分類し、原則として、それぞれの分類に応じた評価を行うことになります。

(1) 売買目的有価証券

(2) 満期保有目的の債券

(3) 子会社株式及び関連会社株式

(4) その他有価証券

税務上は、売買有価証券とその他という2分類になります。

 

持分の募集には、LPSが自ら募集する場合、無限責任社員(GP)が第二種金融商品取引業者として登録する必要がありますが、適格機関投資家等特例業務にあたる場合には、登録の必要はありません。

この場合には、組合員は49名以下となります。

会計事務所としては、49名分の持分計算書を作成するのは大変なので、組合員は、せいぜい10名程度にして欲しいとは思います。それでも作成するのは大変ですが。。。

LPSが行う投資についても投資運用業の登録が必要となりますが、募集同様、適格機関投資家等特例業務にあたる場合には、登録の必要はありません。

登録をしている外部の業者に委託する場合にも、GPは登録不要になります。

適格機関投資家については、SPC(ファンド)の法規制」というページに記載しておりますので、ご参照ください。

ちなみにLPS自身については、適格機関投資家として分類されます。(金商法2条3項1号)

 

LPSには法人格はないのですが、GPの名義により、上場企業の株式を5%を超える株式を保有した際に財務局に提出する大量保有報告などの規制に服することになります。

金商法に違反した場合に、課徴金が課されることがありますが、組合自体は対象とならず、行為者(業務執行権を有するGP)が罰則を科されることになるようです。