【※2024年9月13日に新リース会計基準が公表され(2027年4月1日以後の期首から適用開始)、会計上、借手のオペレーティングリースは一部を除き、廃止されます。中小企業は税務に従って会計処理されることから、記事は残しております。税務に改正等があれば、更新したいと思います。】
リースというと、サーバーなどの情報通信機器、パソコンなどの事務機器、自動車などの物流機器等などが、身近で思い浮かぶリース取引かと思いますが、不動産の賃貸についてもリース取引となります。
リース取引となれば、ファイナンスリースorオペレーティングリースの判定が必要となり、ファイナンスリースと判定されると、契約が賃貸となっていても、会計税務上は、売買取引として取り扱われます。(ファイナンスリースとオペレーティングリースについての判定は、「ファイナンスリースの判定ルール」のページに記載しておりますので、ご参照ください。)
ただ、レジ(住居)や一般的な事務所等の場合は、通常は、いつでも解約ができますので、いちいちファイナンスリースorオペレーティングリースの判定はしていないかと思います。
不動産の賃貸であっても、建物が特別仕様で、解約が事実上できない場合などもあるかと思いますが、フルペイアウトの条件も満たさなければ、ファイナンスリースには該当しませんので、不動産の賃貸にてファイナンスリース取引と判定されてしまうことは多くはないとは思われますが、事業を継続していく上で、どうしてもファイナンスリースの条件を満たすことになってしまうかもしれないケースもあろうかと思われます。
会計においては、リース適用指針において、不動産のリースについて、ファイナンスリースorオペレーティングリースの判定の具体的な判断基準が示されています。
土地については、所有権移転条項付きのもの、割安購入選択権付きのものに該当する場合を除き、オペレーティング・リース取引に該当するものと推定するとされています。(リース適用指針19項)
土地と建物等を一括したリース取引は、土地が無限の経済的耐用年数を有し建物等と異なる性格を有することを踏まえ、リース料総額を合理的な方法で土地に係る部分と建物等に係る部分に分割した上で、現在価値基準の判定を行うこととしています。(リース適用指針99項)
ただ、リース料に含まれている土地の賃料相当の金額の算出は容易ではないことが想定される借手においては、ファイナンス・リース取引に該当するか否かが売却損益の算出に影響を与えるセール・アンド・リースバック取引を除き、土地の賃料が容易に判別可能でない場合は、両者を区分せずに現在価値基準の判定を行うことができるものとしています。(リース適用指針100項)
(参考)合理的な分割方法
(1) 賃貸借契約書等で、適切な土地の賃料が明示されている場合には、全体のリース料総額から土地の賃料を差し引いた額を、建物等のリース料総額とする。
(2) 全体のリース料総額から土地の合理的な見積賃料を差し引いた額を、建物等のリース料総額とみなす。合理的な見積賃料には、近隣の水準などを用いることが考えられる。
(3) 全体のリース料総額から土地の時価に借手の追加借入利子率を乗じた額の総額を差し引いた額を、建物等のリース料総額とみなす(借手の場合)。